ここでは、テキストマイニングツールを導入したコールセンターやコンタクトセンターのツール導入前の課題、ツールの活用方法、ツール導入後の変化について、3件の事例を紹介します。
同社では、コンタクトセンターのオペレーターが入力した会話履歴データからVOC(Voice of customer:顧客の声)を集めようとしていました。 しかし、オペレーターの入力した内容は、代理店や営業店に要望を伝えるためのものだったため、お客様が困っていることなどは正確に分析することが困難。
そこで業務品質向上のために、音声認識システムを導入しました。しかしデータ確認や分類を人手で行わなくてはならず、コンタクトセンターに寄せられる年間100万件の問い合わせを分析することは、至難の業。 どう効率化して顧客体験価値を向上させる仕組みを構築するかが課題となっていました。
ちょうど自然言語処理ノウハウを活かした新規事業企画を進めていたこともあり、株式会社レトリバのテキスト分析ツールをコンタクトセンター部門に導入しました。 それまでは単語ベースでVOCデータの分類を行っていたため、分類が上手くいかず、結果を読み解くことが困難。
分析担当者が企画系社員だったため、難易度も高かったのですが、ツール導入後は単語と文章からトピックごとにVOCを分類できるようになりました。 正解データをもとに分類する「教師あり学習」や、正解データのない「教師なし学習」の分類結果も、人間の感覚と近いため、高精度なクラスタリングができるようになりました。
操作性が高く、パッケージ製品のため比較的安価で導入できることから、今後は業務品質向上推進部と連携し、コンタクトセンター以外の業務改善や商品開発などにも展開する予定。
コンタクトセンターの応対品質向上だけでなく、パンフレットや商品などを通じ、全体の品質向上を目指します。
また、パソコン単体での利用から社内展開して各部門がハンドリングできるように、サーバ環境を整備していくつもりです。
自社のビジネスで、より戦略的に顧客の声を活用していきたいのなら、分析機能が豊富で、結果につなげやすい有料のテキストマイニングツールもぜひチェックしてみましょう。
以下のページでは、おすすめのテキストマイニングツールを「コスパ」「教育」「知名度」の3つの軸で比較。おすすめの3つを紹介しています。
同社では年賀ポストカードのサービス期間中になると、コンタクトセンターに届く問い合わせ件数が、通常の数倍に増加。効率的に問い合せを削減するということが、大きな課題となっていました。
その上、24時間ネット注文にも対応しているので、夕方から深夜にかけての利用者も豊富。コンタクトセンター窓口の営業時間外でもメール問い合わせが多数届くため、タイムリーに対応できる施策の必要性にも迫られていました。
そこでWEBセルフサービスのレベル向上とコンタクトセンターの負荷軽減を目指し、AI機能を搭載したFAQシステムを導入しました。 FAQコンテンツはツールの標準分析機能を使い、前年の問い合わせ記録を全件分析することで作成。 具体的には数千件の問い合わせを類似案件で整理。等しい回答を1グループにまとめ、件数の多い質問順に優先順位をつけてFAQ作成を開始しました。
さらに精度を高めるために一次分析結果をもとに、グループごとに人間の目で読み込み再度グルーピングして優先順位づけを行うという作業を繰り返しました。 QAの整理には多くの時間を要しましたが、WEB注文サイト上に、FAQコンテンツをしっかりと組み込むことができました。
その結果、問い合わせ件数を前年度の約半数に減らすことに成功し、注文サイトの機能が改善されたこととの相乗効果によって注文件数も増加しました。また、最近はスマートフォンからネット注文サイトへのアクセスが急増し、コンタクトセンターよりメールでの問い合わせが多くなっています。そのためツールを利用して教師データを生成しチャットボットの運用も開始、スマートフォンで利用しやすい短いフレーズや単語でもFAQを検索できるようにしました。
自信を持って提供した商品やサービスが予想に反して市場に評価されないのは、自社製品に対する顧客ニーズや、改善点の把握が不十分であるから。 つまり損失発生のリスクを軽減するには、VOCが重要な活動であると考察。 長年にわたってVOC活動に取り組んできた製品メーカー。顧客から寄せられる年間約120万件にのぼる苦情、要望、コメントを情報分析(コールログ分析)して「見える化」することにしました。
顧客から寄せられたコールログは、まず件数や内容面から分類しタグ付けして管理をします。 例えば「~してほしい」、「~に困っています」といった場合は「顧客からの情報」。 「発火」「水漏れ」「故障」などは「自社製品の品質リスク」。「子ども」「女性」「お年寄り」などは「顧客属性」として分類。
また、SNSなどから得た情報を好感、期待、悪口などを0~4のステージに区分して可視化。 さらにインターネット上の情報を収集して過去に実施したインタビューデータと比較、分析して、新規見込み顧客を抽出することで新商品の企画開発に応用しています。 他にも商品の企画・開発担当者が設定できる「問診機能」を導入し効率化を測定。 例えば、ある製品についての問い合わせがコールセンターに寄せられた場合、購入理由や比較したメーカーの質問が相談員にポップアップで提示され、顧客から効率的に答えを得ることができるようになりました。
ツールを使った情報の「見える化」によって、5年連続で問い合わせ件数が前年の件数を割ったという成果を得ています。 また、「問診機能」によって相談員の作業が効率化されただけでなく、企画・開発担当者は顧客からの有益な意見を得ることができるようになり、 効率的な商品開発につながる結果となっています。
ツールごとに機能やサービス内容が様々あるテキストマイニングツール。トライアル版を出しており、アンケートやリサーチから依頼ができるツール3つを紹介いたします。
※Google検索「テキストマイニングツール」の上位16社(2022年10月時点)の中から選定。