ここでは、テキストマイニングツールを導入してFAQを作成した企業のツール導入前の課題、ツールの活用方法、ツール導入後の変化について、2件の事例を紹介します。
ヘルプデスク業務のアウトソーシングをメインとして展開している同社。 FAQ、キュレーションサービス(コール分析)、コンテンツ作成、オペレーター教育といった、ヘルプデスク業務高度化を実現するサービスを提供しています。
一般的にはコール数の削減、質問の自己解決支援のために、FAQを設置する企業がほとんど。しかし、ユーザーがストレスを感じるFAQも少なくありません。 FAQを改善し、ユーザーに愛され、使ってもらえるようにするには日々、FAQの鮮度、質、量を更新していく必要がありました。
同社では、新鮮でなおかつ目的となる情報が見つけやすいFAQにするために、テキストマイニングツールを導入。複数の類似した意見を自動的に抽出し、特徴ある話題を発見する「全件マッチング機能」と、共通する話題、少数意見、ユニークな話題を抽出する「クロスマッチング機能」によって、高精度なFAQをスピーディに構築することができました。
これまで少数意見については内容を特定できないので、人間による目視作業が必要でした。しかしツールによって、全ての文書間の関連を分析し、類似した話題を自動抽出することができるようになったことで、目視作業が不要に。分析結果は文単位でグループ化されているので、目で見て重要か重要でないかどうかを迅速に判断することができます。
「ヘルプデスクへの全照会数」に対する「FAQを見れば解決できる照会数」の割合をカバー率といいます。ツールの導入によって、FAQが充実。カバー率が向上するにしたがって、FAQへのアクセス数が比例して増加しました。また、FAQへのアクセス数が増加することで入電数が下がり、CPCが減少。トータルコストダウンも実現できました。
同社では、ツールを利用することで「使ってもらえる(愛される)FAQ」構築手法を開発。現在、多くのユーザー企業に展開しています。
自社のビジネスで、より戦略的に顧客の声を活用していきたいのなら、分析機能が豊富で、結果につなげやすい有料のテキストマイニングツールもぜひチェックしてみましょう。
以下のページでは、おすすめのテキストマイニングツールを「コスパ」「教育」「知名度」の3つの軸で比較。おすすめの3つを紹介しています。
某保険代理店では、年間10万件のお客様の声(VOC)を受けていました。折角いただいているお客様の声なので、分析したいと考えてはいたものの、どう分析したらいいのかわからず、未着手のままとなっていました。
片やコールセンターでは、業務改善のためにボットなどの施策を試し、手ごたえを感じていました。しかし、ボットは人間が行っている問い合わせの一部を機械に対応させる仕組みであるため、ボットを上手く使って回答するには、問い合わせに対するFAQが整備されている必要があります。同社では、まだFAQが上手く整備できていない状態でした。
テキストマイニングツールをコールセンターで導入した事例を見る
FAQ整備には、まず問い合わせがどういうものかについて把握する必要があります。そこで、まずツールの機能として搭載されている「教師無し学習手法」で課題抽出タスクを実施。 もともとオぺレーターが残した記録には、問い合わせ種類を表す分類フラグが付与されていたため、例えば損害保険に関する問い合わせのうち、自動車保険更改については何件あった、ということは把握できていました。
ところが、問い合わせの理由がわからないので、具体的な対策が出来ません。そこでテキストマイニングツールの分析AI技術を使って、お客様の要望を抽出。サービスやオペレーションを改善する 「課題抽出」 を実施しました。この技術を使った理由は単に分析対象のデータ量が多かったから。
人間が数万もの大量データを見ることは不可能ですが、AIなら大量データの処理は得意です。見るべきデータやデータの特徴をAIが提示してくれるので、人間はデータに基づいて施策検討ができるようになります。
約3万件のデータを分析した結果、オペレーション改善に関する課題、FAQ改善に関する課題が数十件発見されました。また、新しい保険についての問い合わせも多かったのですが、新しいテーマだったのでオペレーター用FAQは未整備の状況だったにもかかわらず、問い合わせをツールで分析した結果、FAQ整備を一気に進めることもできました。
ツールごとに機能やサービス内容が様々あるテキストマイニングツール。トライアル版を出しており、アンケートやリサーチから依頼ができるツール3つを紹介いたします。
※Google検索「テキストマイニングツール」の上位16社(2022年10月時点)の中から選定。