ここでは、テキストマイニングツールを導入して人材育成や社員の負担を軽減した企業の事例を紹介。ツール導入前の課題、ツールの活用方法、ツール導入後の変化についてまとめましたので、ぜひご参考になさってください。
ビール以外にも、洋酒、焼酎、ワインなど日本酒以外のさまざまな酒類を扱うアサヒビール株式会社。同社では、マーケティング本部の調査分析グループで、さまざまな商品のマーケティング戦略支援を行っています。
この会社では2011年まで商品開発調査のフリーアンサー(FA)分析を手作業で行っていました。しかし分析には膨大な時間がかかるだけでなく、どうしても分析を行うマーケターの主観が入ってしまうため、客観的でない分析結果になることが課題となっていました。
そこで、課題を解決して品質の標準化とマーケターの業務効率化をするために、テキストマイニングツールの導入を決定。
2011年はブログ全盛期であり、SNSも台頭し始めたことから、ブログやSNSのデータを解析することで有力な情報が得られるかもしれないという期待もありました。
ツールは分析と運用で活用していますが、フリーアンサー解析によってデータを可視化する「マーケティングリサーチ」、 調査前に仮説をたてて高い定性調査の精度を出す「探索型」と、あるアクションに対する顧客の反応を分析する「検証型」からなる「ソーシャルリスニング」調査を行うことで、商品開発プロセスをカバーする活用ができています。
テキストマイニングツールを使うことで分析の工数を削減。客観性的な分析結果も実現できるようになりました。
マーケターや関係者による商品開発のディスカッションも行われるようになり、新たな気づきから商品開発につながるようになったことは、導入の効果であると感じています。
また、ツールを利用することで全体像を簡単に把握できるようになるということで、ツール活用領域も広がってきています。
自社のビジネスで、より戦略的に顧客の声を活用していきたいのなら、分析機能が豊富で、結果につなげやすい有料のテキストマイニングツールもぜひチェックしてみましょう。
以下のページでは、おすすめのテキストマイニングツールを「コスパ」「教育」「知名度」の3つの軸で比較。おすすめの3つを紹介しています。
経営計画に会社の再起動を掲げている株式会社リコーでは、プロジェクトチームを立ち上げて「戦略思考醸成」「ICT強化と活用」「人・組織制度変革」活動をしています。
その根幹である人・組織は、人財ブランディングであると考え、再起動後の会社に必要となる人の能力を洗い出し、その能力を持っている人をブランディングイメージとして定義することにしました。
現在と過去の人事データや指導実態などを利用した「事実アプローチ」と、会社再起動後の人物像という「仮説アプローチ」によって能力の洗い出しを実施。それを技能と心の知能指数に分けて整理しました。
能力数を200程度に絞り込んだところで、キーワードを取り出して連関図を作成し人物像マップを作成しました。
テキストマイニングツールは形式知や暗黙知といった、5種類の事実情報を使って能力を洗い出す時に利用。
上司と部下で行う面談メモを活用した「ことばネットワーク」から効果的な結果を獲得し、さらに結果を「文章分類」することで分析の検証に役立てました。
単語出現頻度も分析してマップの方向性が間違っていないことも確認。2つのアプローチで洗い出した能力をマージして人物像マップを作ったあとの妥当性検証にもツールを利用しました。
ツールを使って作成した人物像マップを用いて他人から評価してもらったり、SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威の4つを組み合わせた分析)やジョハリの窓(自分が知っている自分、他人が知っている自分を4つの窓(カテゴリ)に分類して理解する手法)で自己分析をすれば、 自分の持つ能力や現在のポジションが一目でわかるように。これから伸ばすべき能力も見つけることができます。
実際に人物像マップを使って人物評価面談を行ったところ、キャリアプランにつながった人もいます。今後は人財ブランディングの社内拡大展開も考えています。
ツールごとに機能やサービス内容が様々あるテキストマイニングツール。トライアル版を出しており、アンケートやリサーチから依頼ができるツール3つを紹介いたします。
※Google検索「テキストマイニングツール」の上位16社(2022年10月時点)の中から選定。