SFA分析における膨大なテキストデータの活用方法で悩んでいる方に向けて、テキストマイニングの手法を解説。数字とは違ってExcelでは編集・分析がしづらい、テキストの分析方法を押さえておきましょう。
テキストマイニングとは、データに含まれている単語を抽出して、その単語の出現頻度や傾向を分析することを指します。SFAで活用できれば、受注する商談と、失注・停滞する商談とで、顧客とのやり取りに出てくる単語や、上司に報告する文章の中で聞かれる単語の違いが分かります。
テキストマイニングを活用すると、営業マネージャーの仕事のやり方やSFAで集めたデータの活用方法についてヒントを得られる可能性があるのです。
ここでは、テキストマイニングの流れについて詳しく説明していきます。
はじめに、SFAのデータをExcelまたはCSVの形式でダウンロードします。分析の目的に応じた下準備を行いましょう。SFAのデータは、例えば日々の活動報告データ、それに帰属する商談データ、チャットなどのコメントデータに分けられます。
どのようなことを分析したいのか、必要なデータの単位、商談なのか活動報告なのかという点を考えて、データを準備してください。
テキストデータの分析では、大量の文字列を単語ごとに区切ってカウントする必要があります。
例えばSFAデータの中に、買う・買いに・買って・買えばなどという言葉が1回ずつ見られた場合、これらを別の単語に分類せず、「買う」という単語が5回出た、と処理します。
面倒な作業に思えますが、この処理は基本的にツールが自動で実行してくれます。テキストマイニングツールの中には辞書ファイルが搭載されているので、あらかじめ準備したデータを読み取った後に自動で単語を抽出します。
単語としては別のものであっても、意味合いが似ている言葉を1つにまとめておくと分析する上で便利です。この、「意味合いは似ているけれど、別の単語を1つにまとめておく」作業をコーディングと言います。
SFAデータを分析する場合、BANTC(予算、決裁者、課題、時期、競合)に関する情報と受注や商談の進捗状況を合わせるのがよくある手法です。そのため、課題・問題・要望などの単語は、「課題」にまとめるなどといったBANTCをメインにコーディングするとよいでしょう。
どんな単語がどんな場面で頻出するのか、傾向がつかめるのがテキストマイニングツールです。どのような会話が進んでいれば受注の確度があがるのか、逆に難航している商談ではどの単語でつまずいているのか分析することで、次の商談で何を見直すべきか対策が立てられるでしょう。
例えば、受注している商談では、話が具体的に進んでいくので、納品・スケジュール・進行・デザインといった単語が出てくるでしょう。一方、停滞・失注している商談の場合、情報・アプローチ・企画・説明などといった単語の出現が増えるので、説明が難航している場面が想像できます。このように、テキストを視覚的に分析できると、SFA分析のさらなる活用が見込めます。
商談の早いタイミングで受注後の詳細を顧客と話すようにする、そのために必要なツールを用意するなどといった対策を講じられます。
分析を行うことによって今まで以上に「提案内容や価値が顧客に分かりやすいものになっているか」といった視点から提案書をチェックする必要性があることもわかります。分析結果は営業に伝えて、SFAへの商談情報の入力意義を再確認することが大切です。
分析者は、分析結果を解釈して意味を見出すという大きな仕事をこなさなければなりません。その時に注意しておきたいポイントが、マイニング(金属の採掘)という文字通り、出てくるアウトプットのうち本当に価値のある情報は一握りだけで、残りは価値のないものだということは、よくある話です。
そのようなことから、分析結果に期待しすぎずに、「1つのグラフからアイデアが2~3個見つかれば良い」くらいの感覚で解釈しておくのが望ましいでしょう。
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