アンケート分析のよくある失敗

アンケート分析の失敗パターン

調査の目的が決まっていない

アンケート分析の失敗では、「聞くべき質問が漏れてしまった」「聞くべきユーザー層を対象にしていなかった」「質問の優先順位が決まっていなかった」などの例があります。

アンケート調査をする目的を定めていないと、ただ労力やコストをかけただけで有効な情報を集められなくなってしまうでしょう。アンケート調査の結果を活かしきれず、実際のマーケティング施策やアウトプットに活用できないこともあります。

そのため、「調査目的を何に活用するのか」「何を明らかにするためのアンケート調査なのか」をはっきりと決めておくことが大切です。

質問で知りたい内容が定まっていない

「どんな質問をすれば良いのかわからないから、よく見かける質問を参考にして作成しよう」と考えてしまったことはないでしょうか。似たような質問ばかり設定してしまう・気づきのある回答を得られなかったという場合は、質問の目的を定めていないことが原因です。

アンケート調査で重要なのは、「明らかにしたい事項を明確にし、ターゲットから有効な回答を得ること」です。そのため、この質問から得られることは何か・その結果で何を判断するのかをしっかり考えておく必要があります。

回答者・回答形式が不適切

まず、アンケート調査は誰を対象者とするのかを決める必要があります。対象者の年齢や性別などのほか、見込み顧客と既存顧客といった分類も含めたターゲットを決定しましょう。たとえば見込み顧客と既存顧客では、ニーズが異なる可能性があります。

また、回答形式が不適切なケースもあります。有効な回答を得るために、単一回答や複数選択式、選択肢に順位をつけてもらうなどから回答形式を選択します。
そのほかにも、回答の選択肢が不適切なため、有効な回答を得られなかったという失敗例もあります。あてはまる選択肢がないと無回答になってしまうことも。最悪のケースでは、誤った分析から誤った意思決定を行ってしまうことも考えられます。

アンケート分析を成功させるために!導入で失敗しないポイント

回答率を上げるアンケート作成

アンケートの回答率を上げるためには、回答者が答えやすいアンケートを作成することが大切です。

アンケート回答者に向けたインセンティブを設定しているケースもありますが、回答者の負担にならない工夫も必要。「このアンケートの回答には何分程度かかるか」といった情報で回答のハードルを下げておきましょう。
また、「このアンケートは誰に向けて何のためにつくられているのか」を記載し、個人情報保護に関する情報も入れておくこともポイント。設問数は少なめにし、回答しやすい質問文を考えましょう。

設問ごとに目的を決めておく

「この質問の答えによって何を知りたいのか」を設問ごとに決めておきます。目的が明確な質問は回答しやすく、正確な情報を集められます。一方目的が不明確な質問は意図とは異なる回答が増えてしまい、データの質が低下します。

たとえばアンケート調査では「使いたい」という回答が多かったにもかかわらず、実際に商品化したら売れなかった…というケースも。アンケート調査で回答者のニーズや本音を聞きだせていないことが原因です。目的の定まっていないアンケート調査はムダな労力となるだけではなく、誤った分析や誤った意思決定にもつながってしまいます。

設問の時系列を整える・設問内容に適した回答形式を選ぶ

回答者が回答しやすいよう、設問の時系列を整えることも重要です。過去・現在・未来の流れになるように整理しておきましょう。
なお、過去についての質問は、回答者が詳細を覚えていないケースがほとんど。そのため「これまでにこのサービスを利用したことがありますか」など、はい・いいえで答えられる質問に留めておくのがポイントです。

また、回答形式には「単一回答」や「複数回答」「制御マルチ」「順位法」「数値配分法」「マトリクス」自由記述」などがあります。回答しやすいのは単一回答ですが、「はい」と答えた方限定で更なる質問をするなどの方法もおすすめです。

テンプレートや専用ツールで効率化

効率良くアンケートを作成するために、テンプレートや専用ツールを活用しましょう。

テンプレートや専用ツールには無料で配布されているものもあります。たとえば無料で利用できるWEBアンケート作成ツールなら、コード知識不要でアンケート作成が可能。

もしも今後もアンケート調査を継続する場合は、ツールを導入すると良いでしょう。また、無料版は機能が制限されているケースが多いため、自社に必要な機能のある有料版を検討するのもおすすめ。必要なサンプル数や回答者の年齢層、細かいアンケート設定の有無などを確認しておきましょう。

効果的な集計方法を取り入れる

アンケートの調査結果を有効に活用するために、効果的な集計方法を取り入れましょう。集計方法には「単純集計」や「クロス集計」などがあります。

単純集計では、「はい」や「いいえ」の人数をそれぞれ足して集計します。簡単な集計方法のため全体的な傾向のみ把握できます。

一方クロス集計では、2つ以上の質問項目の回答内容をかけ合わせ、回答者属性ごとの反応を把握できます。
たとえばある商品を「使いたい」と答えた人数が全体の80%だったとします。しかし、実は「使いたい」と答えた80%の回答者のうちほとんどが男性の場合、商品を男性向けに販売したり、女性向けの販売戦略が必要になります。

単純集計では「使いたい人が80%」という内容しか把握できないため、詳細なアンケート分析を行いたい場合はクロス集計も利用するのがおすすめです。

効果的なアンケート分析のために押さえておくべきポイント

全体から捉え、細部は後から

的確なアンケート分析を行うために、まずはアンケート調査結果の全体像を把握しましょう。単純集計で全体像を把握し、数値が突出している箇所はクロス集計を使って細部の分析をするのがおすすめ。

最初から細部の分析をしてしまうと全体像との比較ができず、本来の調査結果とは異なる分析をしてしまう可能性があります。

データの有意性を考える

効果的なアンケート分析のためには、アンケートの集計結果が統計的に信頼できるのかを意味する「有意性」を確認しておくのがポイント。

「適切な回答数が集まっているか(データの回答性)」や「抽出データに代表性はあるか(回答者の代表性)」を確認し、アンケートが調査対象者の全体の意向を偏りなく反映できているかをチェックします。

有効回答の基準を満たしているか

無効回答も集計してしまうとデータに偏りが生じます。無効回答とは「回答していない」ほか、「対象外の人物が回答している」「他の回答と比較して明らかに異常な数値である」などがあります。このような無効回答は集計せず、有効回答のみを集計することが重要です。

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